ブログタイトルに【内助の功】なんて言葉を使ってしまったけれど、始めからそんなものを意識していたわけではない。
夫となる彼の転勤を機に私は仕事を辞め、新しい土地に引っ越したところから新婚生活がスタートした。
そう、私は無職になったのである。
看護師の資格があるのだからすぐに就職できるだろうと思っていたので夫の収入の少なさは気にならなかった。
そのため、のんびりと家事をして(大したことはしていない。当時はまだ家事のなんたるかをよく分かっていなかった)、新しい土地の散策をするなどして過ごしてた。
こんな風に書くとく爽やかな感じがするけれど、、、とんでもない!
夫の勤務先はブラックだった。
朝は5時に起きて朝食はとらずにすぐ出勤、帰宅は深夜1時。
土日休みと聞いていたが、土曜日は出勤。
日曜の朝は出勤。
おいっっっ。
浮気?帰宅拒否症?
しかし、そうではなかった。
同じアパートに直属の上司が住んでいたが(離婚歴あり)、ほぼ帰宅しておらず会社のソファで眠るような生活だったし、同僚はある日無断欠勤、音信不通となった。
だんだんと夫の生気が失われていく。
喜怒哀楽が乏しくなっていく。
しかも、会社が借り上げてくれていたそのアパートの部屋は日が当たらなかった。
家賃を出してくれるのは本当にありがたいが、室内にいると昼なのか夜なのか分からないし洗濯物はベランダに干しても生乾きだった。
日が当たらない部屋、あまり家にいない夫、知らない土地、とにかく寂しい、、、私はおかしくなりそうだった。
結婚ってなんだろう、とか考えた。
この状況で仕事を始めてしまったら、私は夫を必要としなくなるだろうと想像できた。夫はこんな勤務体系なのだから、私が仕事を始めたとしても家事は全て私よね、すれ違うよね、一緒に生活する意味ある???
せめて日が当たる部屋にと、夫に引っ越しを打診したけれど断られてしまった。会社が借りてくれている手前、引っ越しって来て間もないのにもう引っ越すなんて出来ないと。
そんな私を気遣って、夫は貴重な日曜日に外へ連れ出してくれていた。(優しい)
ある日、私が作るお料理に気遣いがないことに気が付く。
深夜に帰宅して夕食を食べてすぐ寝る夫なのだから、消化に良いものがいいのではない
か。そもそも夫は何が食べたいのか。
それまでは独身時代にお料理教室で習ったものや、自分が食べたいもの、作りやすいものばかり作っていた。夫の好みや体調は度外視していた。
それからは、消化に良いものや夫が食べたいものを考えるようにしていった。
ちなみに私はカレーにじゃがいもを入れない派であったが、夫の好みにより入れる派になった。
結婚して何年も経ってからから言われた。
「カレーのじゃがいもが好き。」
怖くて言い出せなかったのか、、、な。
私の内助の功はこんなところからスタートしたのである。