万事休す
高1長女がケーキを作っていた。
私の誕生日にチーズケーキを焼いてくれるのだ。
「見に来ないでね」と鶴の恩返しみたいなことを言うため
私は別室で過ごしていた。
しばらくすると
長女が私の所へ走って来た。
スライディングからの土下座をして言った。
「砂糖と塩を間違えた」
クリームチーズ200gに砂糖60gを混ぜ込むところ
クリームチーズ200gに塩60gを混ぜ込んだ、と。
たまたま手に付いてしまったクリームチーズをなめたところ
間違えたことに気付いたそうだ。
砂糖と塩を間違えるなんて
マンガの世界だけだと思っていたのだが、、、。
我が家はホーローの容器にそれぞれ保管しており
【SALT】【SUGAR】とはっきり書いてあるし
離した位置に配置いている。
しかも
我が家では上白糖ではなく【甜菜糖】を使用しているため
うっすら茶色である。
さらに
長女は朝食時におにぎりを自作することが多く
保管されている位置と塩の形状は認識していた、はずだ。
なのにどうして?
自画自賛
勘違い、思い込み、よくあることだ。
起きてしまったことは仕方ない。
サラダやグラタンに変換できないだろうか。
塩が混ぜ込まれたクリームチーズを1なめして
反射的に吐き出した。
「人体に悪影響が出る」と脳が判断したのだ。
全量廃棄した。
長女は涙目になっている。
そこで私は言った。
「気づいたのが焼きあがってからじゃなくてよかった」
「おかげで卵、生クリーム、レモンは無事だった」
「被害が最小限でよかったじゃん」
「早い段階で気が付けてラッキーだったね」
最期に
「母のために何かしたいと思ってくれたことが嬉しい」
で締めくくった。
そして後日
クリームチーズを買い直し
一緒にチーズケーキを作った。
私、なかなかいい母なんじゃないの?! (てへ)
遺伝なのか
私は砂糖と塩を間違えたことがない。
しかし
身近にいる。
私の母は
砂糖と塩を間違えたケーキを焼き上げた
(もちろん全量廃棄)
おまけに
歯磨き粉とペースト状の【ムヒ】を間違えて歯磨きした。
うっすら感じてはいたが
私の母と長女には似たところがある。
長女が砂糖と塩を間違えた事実よりも
「私の母の遺伝が長女に強めに出てしまっているかも」
ということの方が私的にはキツイ。